ネイチャーリーダー江東が管理を行っているビオトープの一つ「荒川下流ポケットエコスペース」では、定期的に勉強会を開催しながら、市民で目標とする植生と計画を決めて管理作業を行っています。
手順としては、まず植生の見た目(相観植生)から現在の植生を表した現況植生図を作成します。
次に、現況をもとに将来どのような植生にしたいか検討して、目標植生図を作成します。
そして、現況と目標の植生図を比較して、そのギャップを埋めるための管理計画を立てます。
そのあとは、計画をもとに管理作業を行い、その成果をモニタリングし、目標や計画を見直していきます。
以下に、相観植生図→現況植生図→目標植生図→管理計画表の作成手順の例を示します。
1.相観植生図の作成
相観植生図とは、植生の見た目に注目してそれを図化したものです。
まず、植生の見た目から植生タイプの範囲(ポリゴン)を決め図面に記録します。
次に、ポリゴンごとに植生タイプと草の高さを記録用紙に記入します。
2.現況植生図の作成
相観植生図のポリゴンごとに色を決めて塗ると、現況植生図の完成です。
現在の植生の状況が一目でわかるようになります。
3.目標植生図の作成
現況植生図をもとに、今後どのような環境にしたいのか話し合い、残したい植物や刈り取る植物などを決めていきます。
そして、管理の目標とする植生を決めて色で塗り分け、目標植生図を作成します。
(注)調査地内に生育する植物種をリストアップし、植物相を把握するフロラ調査というのがあります。目標植生図を作成する前にフロラ調査を実施します。
4.保全管理の計画づくり
現在の状況(現況植生図)と将来の目標(目標植生図)のギャップを埋めるため、どのような管理をすればよいのか検討します。
そして、ポリゴンごとの管理方法と年間スケジュールを決め、管理計画表を作成します。