私達人類は、この地球に誕生してから現代に至るまで、自然の恵みを受け取りながら、生き続けてきました。とりわけ日本では、自然を愛し、自然を敬い、自然と共に生きる生活様式を大切にして来ました。しかし、20世紀に入ると高度成長の波は、日本人を大量生産、大量消費、大量廃棄の経済システムに導き、同時に、日本人が保ち続けて来た、自然と共に生きる心をも変質させてきました。食料などの自然からの恵みは、ほとんどが国外から運ばれるようになりました。人間の快適な生活のために地形は造り変えられ、水域は汚染され、生物の多様性は失われつつあります。あらゆる地球上の生命を支えてきた生態系のシステムを破壊し続けています。現在、地域で、そして地球規模で噴出している各種環境問題は、今人類が採択している社会が、持続不可能な社会である事を知らしめる、自然が打ち鳴らす警鐘です。
 しかし、人類はこれから先も、生態系の一員として、自然の恵みを受け取ることでしか生きる事が出来ない存在です。もし、人類が少しでも長く、この地球上の一員として生きながらえようとするならば、自然との共存を図り、生態系のシステムを損なう事の無い持続可能な社会を築くことが、必須と考えます。

 市民団体「ネイチャーリーダー協議会」はこれまで人口の密集した首都、東京の江東区という、そのほとんどが埋め立て地である地域を拠点として、人と自然の共存を考え、実践する会として活動してきました。その活動内容は、江東区をはじめとする都市生活を営む方々とともに、ビオトープなどの生き物生息空間の造成・管理などを行う保全活動、地域の方々に対する自然観察会や持続可能な社会への参画を促す環境教育活動、地域の生物生息調査などの調査活動などです。
 「ネイチャーリーダー江東」が特定非営利活動法人に組織形態を変革することによって、今まで以上に地域社会に貢献でき、質が良く責任ある活動を提供できる組織へと前進する事を期待します。また新しい組織形態は、参加する事が楽しく活力に満ちた健全な組織の構築を一人ひとりの会員に促すものであることを望みます。
 法律の下に認可された特定非営利活動法人として、法を遵守し適正な管理に基づく組織作りを推進し、市民に開かれた組織運営を推進していきます。また、社会に貢献でき、しかも市民に対し責任ある活動を提供します。そしてそのことにより、市民、行政などからの信頼を獲得できると確信します。

 特定非営利活動法人「ネイチャーリーダー江東」は、今まで実践してきた自然環境保全、環境教育、自然環境調査などの活動を継続、発展させていく中で、現在江東区に住んでいる住民の方々のみならず、将来世代やこの地を生息場所に選んだ生物たちが、同じ生態系の一員として共に豊かさを保ちながら生きていける社会と環境を創出することを目指します。そして、人と自然が共存する地域づくり、持続可能な社会づくりのための政策提言や実践行動を積極的に行っていきます。また他の地域の持続可能な社会構築も支援しつつ活動していくことを表明します。
 そして今後の私達の地域社会、日本国内、時には国際社会における活動が、より確かなものとして積み重なり、各地で持続可能な社会への道すじを歩み始めることを期待します。

設立代表者 阿河 眞人